上映作品


Northern Focus - まだまだあります、名作・力作 -
ラップランド・オデッセイ
■ 原題:Napapiirin sankarit/英題:Lapland Odyssey
■ 監督:ドメ・カルコスキ(Dome Karukoski)
■ 出演:ユッシ・ヴァタネン/ヤスペル・パーッコネン/ティモ・ラヴィカイネン/パメラ・トラ
■ 2010年 フィンランド/アイスランド/スウェーデン ■ 94min ■ 言語:Finnish
【受賞】 2011年ユッシ賞(フィンランドアカデミー賞)最優秀作品賞ほか
国内DVD未発売 劇場未公開
ストーリー
失業して以来5年も無職のヤンネは、ある日、長年の恋人イナリからデジタルチューナーを買うために渡された50ユーロを、つい親友のラプとカイハとの飲み代に使ってしまう。「翌朝までにチューナーを買わなければ別れる」とイナリに最後通告を突きつけられたヤンネは、親友2人と共に200キロ離れたロヴァニエミまでチューナーを買いに行くことになるが……。
作品紹介
近年、他の北欧諸国に負けじと活況を呈しているフィンランド映画。中でも、2010年最大のヒット作となったこの映画は、“失業”という日本人にとっても対岸の話ではない重いテーマを内包しつつも、底抜けにポジティヴで前向きなメッセージに溢れている。
舞台となっている北部ラップランド地方は、首都ヘルシンキがある南部よりも失業率が高いらしく、主人公が5年も無職というのも決して極端な話ではないようだが、これが長篇4作目となるドメ・カルコスキ監督は、伏し目がちに悲愴感を描くよりも、だからこそ「男たちよ、開き直れ!」と、主人公3人が旅を通じて少しずつ男としての自信を取り戻してゆく姿を、明るく快活に描いている。
彼らが道中で出逢う、イナリの元カレ、スウェーデンのレズ美女軍団、謎のロシア人との丁々発止が心から可笑しく、また男同士のバカと友情を描いているという意味では、本作には昨今人気の“ブロマンス映画”のテイストも込められている。
凍てついた雪と氷の風景も美しい、観終わった後きっと元気になれるロード・ムービーの快作だ。カウリスマキだけがフィンランド映画じゃない! (栗本)