上映作品


The Origin - 北欧映画作家たちの原点 -
セレブレーション
■ 原題:Festen/英題:The Celebration
■ 監督:トマス・ヴィンターベア(Thomas Vinterberg)
■ 出演:ヘニング・モリツェン/ウルリク・トムセン/トマス・ボー・ラーセン/
      パプリカ・スティーン/トリーヌ・ディルホム
■ 1998年 デンマーク/スウェーデン ■ 106min ■ 言語:Danish/German/English
【受賞】 1998年カンヌ国際映画祭審査員賞ほか
国内DVD未発売
ストーリー
鋼鉄王ヘルゲの還暦を祝うために、郊外の豪邸には彼の子供たちが集っていた。次男のミケルはかつて問題を起こしたらしく、来て早々揉めている。どうやら葬式を欠席したことを理由に招待リストから外されていたらしい。その家では実は、長男クリスチャンの双子の妹リンダが、数ヶ月前に自殺していたのだった。一騒動の後、親戚や友人たちを迎え入れ、開かれる宴。その席でクリスチャンの口から衝撃の事実が明かされる。それはリンダの死に関わる富豪一家の秘密だった…。
作品紹介
『光のほうへ』のトマス・ヴィンターベア監督長編デビュー作。そして、ヴィンターベアがラース・フォン・トリアーらと共に立ち上げた映画運動‘ドグマ95’の記念すべき第一作でもある本作は、ドグマの可能性を証明し、ゼロ年代以降加速するデジタル映画の潮流に先鞭をつけたと言えるだろう。
一家の長男であるクリスチャンによって告発される富豪の父の過去。それを「なかったこと」にしてやり過ごそうとする上流階級の人々と、なおも告発を続けるクリスチャン。そして明らかにされるリンダの死の真実。張り詰めた空気の中、人々は次第に本性を剥き出しにし始める。
弱冠29歳のヴィンターベアが描く家族の物語は生易しいものではない。憎しみ合い、それでも家族は家族であることから逃れられない。悪夢のような一夜が明けた時、この一家には再び光が差し込むのか…。
『ある愛の風景』のウルリク・トムセン、『しあわせな孤独』のパプリカ・スティーンなど、デンマーク映画に欠かせない名優たちの競演も見逃せない。 (細川)