上映作品

ニコラス・ウィンディング・レフン監督特集

Fear X

 
(ジャパンプレミア)

 

■原題:Fear X/英題:Fear X
■監督:ニコラス・ウィンディング・レフン (Nicolas Winding Refn)
■出演:John Turturro/Deborah Kara Unger/Stephen Eric McIntyre
■2003年 デンマーク/カナダ/イギリス/ブラジル■91min■字幕:日本語
■言語:英語(English)

    2月9日(土)21:20〜 / 11日(月)19:00〜 / 15日(金)14:00〜


ストーリー

警備員ハリーは、広大なショッピングモールを行き交う人々の挙動に今日も目を凝らしている。妻を殺人事件で失った彼は、違法と知りつつ仕事仲間から監視カメラの録画を受け取っては、毎晩独りで映像の中に犯人を探し続けているのだった。
愛する者を殺された男が執拗に事件の闇を探るうちに、いつしか現実と幻の境界線が揺らぎ始める。謎めいた世界で彷徨う彼の前に現れるエレベーターは、どこへ続いてゆくのか…。


作品紹介

96年のデビュー作『プッシャー』で成功を収めたレフンが、『ブリーダー』を経て、満を持して撮りあげた『Fear X』は、主演にジョン・タトゥーロを迎えた、初の英語作品となった。
緊張感溢れる映像美、順撮りによって実現された巧みな感情表現など、レフンの美学が思う存分に詰め込まれた傑作となったが、商業的には失敗。レフンは自分の会社を倒産させてしまう。この苦境から再起するまでのレフン夫妻の奮闘は、ドキュメンタリー映画『Gambler』(2006)に収められることになるが、それはまた別の物語である。
その後の目覚ましい活躍ぶりから振り返ると、『Fear X』のもたらした災厄が、レフンにとっての重要な分岐点となり、その後の映画界全体にもたらした影響も計り知れないほどに大きいと言えるだろう。
呪われた映画が、その後の映画に祝福をもたらす…。映画というものの恐ろしさ、面白さがここにある。
背景音楽のクレジットにはブライアン・イーノの名も。 (雨宮)