上映作品

バルト三国の映画

マッティ・キュット短編集

 
 

■監督:マッティ・キュット(Mati Kutt)■エストニア■言語:エストニア語/英語 (Estonian,English) ■字幕:日本語
○薫製スプラットを太陽の下で焼く(左上)
■原題:Sprott votmas paikest/英題:The Smoked Sprat Baking in the Sun■1992年■24min
○リトル・リリィ(右上)
■原題:Plekkmae Liidi/英題:Little Lilly■1994年■16min
○アンダーグラウンド(左下)
■原題:Porandaalune/英題:Underground■1997年■10min
○ボタン・オデッセイ(右下)
■原題:Noobi odusseia/英題:Button's Odyssey■2002年■18min

    2月11日(月)14:00〜 / 13日(水)21:30〜 / 14日(木)16:30〜

マティ・キュット トークショー

※トークショーの開催は、2月11日(月)14:00〜の回のみです。詳細は上記の【トークショー情報】をご覧ください。


ストーリー

海の底に住んでいる不幸な男は、ある日陸地に住む魚を捕まえる。魚は男に3つの願い事を叶えてあげると言うが…。(『薫製スプラットを太陽の下で焼く』) 空を飛びたいと願っているくせに空を飛ぶハエを殺すという父親の矛盾した言動に怒った少女リリィは、食事を拒否し続けてハエのように小さくなってしまう…。(『リトル・リリィ』) 他2本。


作品紹介

エストニアは以前からアニメを通じた日本との交流が盛んで、首都タリンでは毎年日本のアニメを集めた映画祭が開かれている。(Jaapani Animatsiooni Filmifestival)
マッティ・キュットは、プリート・パルンを筆頭とするエストニア・アニメーションの中核をなすシュルレアリスム作家。絵画を学んだ後、平面アニメを扱うスタジオ(ヨーニスフィルム)と立体アニメを扱うスタジオ(ヌクフィルム)の双方でアニメーション制作に関わり、ドローイング、クレイアニメ、またはCGと素材にこだわらない自由多彩な世界観を信条としている。この短編集はまさにそんなキュットの多芸ぶりを堪能できる凝縮されたラインナップ。シュールでありながらも、まるで怪しいマジシャンのような魁偉な容貌からは想像できない淡い詩情も併せ持ち、シュルレアリスム・アニメと聞いて敬遠する人もきっと彼の作品には心を優しく揺さぶられることだろう。そのオリジナリティ溢れる世界観は近作『空の歌(原題:スカイ・ソング)』で頂点に達しており、この傑作をもってキュットは今最も重要な作家の1人となった。
シュヴァンクマイエルのようでひと味もふた味も違うキュットのカルトな世界をぜひご堪能あれ。
(栗本)