上映作品

再発見!北欧映画の古典 NORTHERN CLASSIC

ワルプルギスの夜

 
 

■原題:Valborgsmässoafton/英題:Walpurgis Night
■監督:グスタフ・エドグレン(Gustaf Edgren)
■出演:Lars Hanson/Karin Kavli/Victor Sjöström/Ingrid Bergman
■1935年 スウェーデン■81min■字幕:日本語
■言語:スウェーデン語(Swedish)

    2月12日(火)11:30〜 / 14日(木)11:30〜


ストーリー

新聞王フレデリックの令嬢レナは、会社社長ヨハン・ボルイの秘書として勤めていた。妻のいるヨハンに恋心を抱くレナだが、ワルプルギスの夜、叶わぬ恋と身をひき、勤めも辞める。だがヨハンもまたレナを愛しており、冷えきった妻との関係を断ち切ってレナと結婚したがっていた。
彼は妻クラリーが堕胎手術をし、それをネタに悪徳刑事に脅迫されていることを知る。ヨハンは妻と談判に行くが、妻が誤って刑事を殺してしまう。
容疑をかけられたヨハンは、捜査当局の手から逃れるべく外人部隊に入ってアフリカに。だが数年後のワルプルギスの夜に帰国し、レナと再会する。


作品紹介

イングリッド・バーグマンの初主演作品。ありふれたラブロマンスではあるものの、初々しくも存在感あふれる彼女の演技には、将来の大女優としての片鱗をうかがわせるものがある。
また、本作ではヒロインの祖父が新聞社のオーナーで、そこを舞台に出生率低下と堕胎に関するキャンペーンが展開される。現代にも通じるような社会問題が描かれているわけだが、実際、当時のスウェーデンでは人口減が危惧されており、人口政策を社会政策として推進しようという機運が高まりつつあったそうだ。その意味ではこの作品は、スウェーデンが高福祉へと向かう、ひとつのターニングポイントとなった時代を描写しているともいえるだろう。じつは勉強にもなる作品なのである。
本作に描かれるワルプルギスの夜とは、ヨーロッパでキリスト教が普及する以前から北欧や中央に伝わる春の行事で、スウェーデンでは4月30日で、クリスマスや夏至と並ぶ重要な祝日とされている。本作の中で学生たちが歌いながら練り歩くシーンがあるが、これもスウェーデンではワルプルギスの夜の日の、伝統的な風景という。 (塩田)