上映作品

再発見!北欧映画の古典

復讐の夜

 
 

■原題:Hævnens Nat/英題:Blind Justice
■監督:ベンヤミン・クリステンセン(Benjamin Christensen)
■出演:ベンヤミン・クリステンセン(Benjamin Christensen)/Karen Caspersen/Peter Fjelstrup
■1915年 デンマーク■100min■字幕:日本語・英語【With English subtitles】
■言語:英語(English)

    2/9(日)13:30〜  2/12(水)19:00〜

                                 日時: 2/9(日)13:30〜の回 / 2/12(水)19:00〜の回 各回上映後
                                 ゲスト: 柳下美恵(サイレント映画ピアニスト)、まつかわゆま(シネマアナリスト)


ストーリー

大晦日の夜、ラントン邸の居間では新年を迎える賑やかなパーティーが開かれていた。同じ時刻、吹雪の中を赤ん坊を抱いた男が歩いてくる。彼は無実の罪を着せられた脱獄囚、ジョンであった。ラントン家にたどり着いた彼は屋敷に忍び込み、赤ん坊のためにミルクを探し始める。子供を連れた脱獄囚が逃走中というニュースに眠れないラントン家の姪のアン。その部屋に迷い込んだジョンは、子供のミルクが欲しいと訴える。同情したアンはミルクをとりに部屋を出て行くが、その様子を訝しく思った侯爵は彼女を囮にしてジョンを捕えてしまう。裏切られたと思ったジョンはアンを呪い、彼女への復讐を固く誓うが、その夜から十数年後、それは運命的な予言として甦ることになる…。


作品紹介

TNLF2012『魔女』(1922)、TNLF2013 『密書』(1913)に続くベンヤミン・クリステンセン連続企画第三弾。
1910年代、サイレント映画黄金時代を築いたデンマークの映画作家たちの中でも、最も個性的な監督であったとされるベンヤミン・クリステンセンの第三作目。
『復讐の夜』は、極端なあがり症のためにオペラ歌手や舞台俳優としての成功を諦めてシャンパンの輸入業者をしていたクリステンセンが、芸術への断ちがたい思いと執念を込めて撮りあげた作品で、サスペンス映画の傑作として世界的に再評価されている。日本では、1979年のフィルムセンター特別企画「デンマーク映画の史的展望」以来上映されておらず、今回の上映はクリステンセン再発見と、当時のデンマーク映画の水準の高さを体感できるまたとない機会になるはずである。
ファーストシーンの洗練された演出に始まり、前半の緊迫感溢れるカメラワークと照明設計の圧倒的な素晴らしさは息をのむばかりである。
クリステンセンは、自ら立ち上げたダンスク・ビオグラフ社で3本の作品を製作したが、第一次大戦中に完成させた『復讐の夜』を最後にスウェーデン映画界に呼ばれ、母国デンマークを離れることになる。(雨宮)

監督:ベンヤミン・クリステンセン (Benjamin Christensen)

1879年生まれ。1910年代のデンマーク映画黄金期におけるもっとも個性的な監督、脚本家、俳優。当初オペラ歌手を志すが極度のあがり症だったため映画界に転身。スリルに富んだ視覚的な演出に優れた才能をみせた。TNLF2014では『魔女』『密書』に引き続き、連続上映の最後となる『復讐の夜』を上映。

演奏:柳下美恵 (Mie Yanashita)

サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学ピアノ専修卒業。1995年に朝日新聞社主催映画誕生100年記念上映会でデビュー。国内外の映画祭、映画館で伴奏多数。紀伊國屋書店発売の『魔女』の音楽を担当。TNLF2012で伴奏し、好評を得る。
コメント:「クリステンセン監督は名家に生まれた12人兄弟の末っ子。インテリ+イケメン+美声の持ち主。ただ、監督した映画の題名に謎、魔女、悪魔、嘲笑、魔王、化物、恐怖などマニアックな言葉がチラホラ。持病のノイローゼがそうさせたのか…。『復讐の夜』も期待に違わず、クリステンセンの個性が垣間見える魅力的な作品です。