上映作品

北欧パノラマ

ミス・ジーンズ・フィンランド

 
 

■原題:Miss Farkku-Suomi/英題:Miss Blue Jeans
■監督:マッティ・キンヌネン (Matti Kinnunen)
■出演:ミッコ・ネウヴォネン(Mikko Neuvonen)/サンニ・クルキスオ(Sanni Kurkisuo)/Elias Gould
■2012年 フィンランド・スウェーデン・アイルランド
■89min ■言語:フィンランド語(Finnish)
■字幕:日本語

        2/11(火)13:00〜  2/13(木)16:40〜  2/14(金)14:20〜


ストーリー

1977年、フィンランドの北の町オウル。母親と暮らす高校生のヴァルデはロックに熱中している。学校では話の合う友達もなく、アパートの隣に住む幼い兄弟を相手にお気に入りのミュージシャンを語り、レコードを聴く毎日。そんなある日、密かに恋しているピケが、雑誌の「ミス・ジーンズ・コンテスト」に出て学校中の注目を浴びる。華やかなピケに声もかけられないヴァルデは、ロックバンドを結成して自分を変えようと決心する。髪の色を染め、細身になるために走り、お飾りだったギターの練習に没頭する。初めて出来たバンドの仲間、音楽への強まる思い…ヴァルデの世界は少しずつ広がり始める。
ついに地元の音楽フェスティバルへの出場を果たした彼は、そのステージでピケのために作った曲を演奏するが、その時ピケも新しい道へと踏み出そうとしていた…。


作品紹介

フィンランドの人気ロックミュージシャン、カウコ・ロユフカの自伝が原作。
主人公のヴァルデが愛聴するルー・リード、ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、パティ・スミス、キャプテン・ビーフハート、デヴィッド・ボウイなど、当時フィンランドの田舎町にも流れ込んできた新しいロックに憧れる若者の高揚と焦燥が瑞々しく綴られていく。北の町オウルの荒涼とした情景が主人公ヴァルデの心象と重なり忘れられない余韻を残す。
ヴァルデが買った新しいレコードを、ベランダ越しに聴こうとするアパートの隣に住む幼い兄弟は、1966年生まれでロユフカの大ファンであるマッティ・キンヌネン監督自身の投影であろう。ヴァルデがピケに届けとばかりに熱唱するのはもちろんカウコ・ロユフカの曲である。主人公を演じたミッコ・ネウヴォネンをはじめ、キャストの殆どが本作デビューというフレッシュさも本作の魅力。(雨宮)