上映作品

北欧ミステリ特集

エリカ&パトリックの事件簿 説教師

 
(AXNミステリー提供特別上映作品)
 

■原題:Predikanten■英題:The Preacher
■監督:ヨナス・グリモス(Jonas Grimås)
■出演:エリザベス・カールソン(Elisabeth Carlsson)/ニクラス・ユールストレム(Niklas Hjulström)/ロッタ・カルゲ(Lotta Karlge)/クリステル・フィエールストレム(Christer Fjällström)
■2007年 スウェーデン、ノルウェー■114min■言語:スウェーデン語(Swedish)
■字幕:日本語

        [アップリンク]  2/10(火)19:30〜









ストーリー

スウェーデン西海岸の港町、フィエルバッカはバカンスシーズンを迎えていた。ある朝、郊外の谷底から若い女性が全裸の他殺体となって発見された。鑑識の捜査中、その下からは白骨化した2体の遺体もみつかる。
謎の多い事件の解決のため、休暇中だったターヌムス署の刑事パトリックは捜査に駆り出され、関係者の聴取に奔走する。パートナーでパトリックとの子を宿している作家のエリカはひとり家で過ごすことになるが、暑い中、次々に訪れるバカンスのお客に翻弄されるはめに。
ほどなくして最初に発見された遺体はドイツからの観光客であることが判明し、白骨遺体の方も1970年代に失踪した若い女性たちのものであることがわかった。さらに、犠牲者は3人とも同じように残虐に傷つけられていることが明らかとなる。過去の事件と新たな殺人に何らかの接点はあるのだろうか?
事件の捜査線にはカリスマ説教師をつとめて財をなした、フルト一族が浮上する。そこへ両親と共にキャンプに訪れていた少女の新たな失踪事件が発生、署内はいきり立つのだった。消息を絶った少女、イェンニの運命は…。


作品紹介

スウェーデンを代表するミステリ作家、カミラ・レックバリのベストセラーシリーズ「エリカ & パトリック事件簿」を本国でテレビシリーズ化したものの弟2作。原作は第1作「氷姫」に続き2004年に刊行されている(邦訳は2010年刊行)。日本ではテレビシリーズはAXNミステリーが提供し、シリーズのうちの3作品がミステリーチャンネルで2013年に本邦初放映となり好評を博した。「説教師」は日本でオンエアされた最初の作品で、続いて「悪童」「死を哭(な)く鳥」が放映されている。
作品の舞台、フィエルバッカはスウェーデンの西海岸、イェーテボリからへ北へ80キロほどのところに実在するリゾート地であり、原作者の出身地でもある。のどかな地方都市を舞台にしたミステリではあるが、派手なアクションシーンはほとんどない。原作と同様に、登場人物それぞれの日常や人物像が生き生きと描き出され、その描写をみているだけで物語に引き込まれるのがこの作品の最大の魅力であろう。
本作のヨナス・グリモス監督はイギリスの犯罪ドラマのシリーズで定評があるが、本国スウェーデンでも「エリカ & パトリック事件簿」シリーズのほか、ミステリ作家ヘニング・マンケル原作の「刑事ヴァランダー」シリーズなども手がけ、高い評価を得ている。主役のパトリック役はコリン・ナトリー監督の“Paradiset”(2003)などにも出演しているベテラン、ニクラス・ユールストレムが演じ、ヒロインのエリカ役をシェル・スンズヴァル監督のラブコメディ“The Guy in the Grave Next Door”(2002)のヒロインをはじめ多くのスウェーデン作品に出演する人気女優、エリザベス・カールソンが演じる。 (塩田)