PANORAMA

ジャンルを問わず話題作を選りすぐった北欧映画傑作選

サイコビッチ

■原題: Psychobitch
■監督・脚本:マーティン・ルン Martin Lund
■出演: Jonas Tidemann, Elli Rhiannon Müller Osbourne, Saara Sipila-Kristoffersen, Bethina Nærby, ヘンリク・ラファエルソン(Henrik Rafaelsen)
■製作年:2019年 ■製作国:ノルウェー ■上映時間:109min
■言語:ノルウェー語(Norwegian) ■字幕:日本語、英語【With English subtitles】

2019年 アマンダ賞:脚本賞

2/8 sat 11:00, 2/12 wed 14:00, 2/14 fri 19:00

ユーロスペース

ストーリー

普段から息子を褒めちぎる両親の元で育ったマリウスは、教師からの信頼も厚く、同級生からも慕われている。ある日、彼は気になるレアともっと近しくなるために、男女で「学習ペア」を組んで勉強を教えあう方法をクラスで提案する。しかし目論見とは裏腹に、担任に呼び出されて学校の問題児であるフリーダと学習ペアを組むように打診されてしまう……

作品紹介

マリウスは、両親に褒めて育てられ、無意識下で褒められるような言動をするようになったのだろう。一方、フリーダは、心に問題を抱えているキャラクターとして描かれているが、その原因は明確には明かされない。というより、本人も原因はひとつではないこと、ひとつだったらどんなにか楽であるかを嘆いている。人は他人の言動には原因があると決めつけ、それを単純化しようとする。時には矮小化さえしてしまう。それをされたくなければ、自分にバリアを張って防御するしかないのだ。
ふたりが抱える問題を描きながらも、ふたりっきりのプールや夜の学校の屋上、と胸キュン要素を詰め込んだポップな学園ラブコメになっている。SNSでうっかり「いいね」してしまって慌ててみたり、メッセージを打っては消し、打っては消すけど、最初から最終的に送信したものまで、大して中身は変わっていない。でも、そのビミョウな表現のひとつひとつが重大だったりして。青春映画は小っ恥ずかしいくらいがちょうどいい。

予告編