special encore

記念すべき第 1回目の TNLF上映作品をデジタルリマスターでアンコール上映!

ショー・ミー・ラヴ ~ Digital remastering ~

■原題: Fucking Åmål 英題: Show Me Love 

■監督・脚本:ルーカス・ムーディソン Lukas Moodysson 
■出演: アレクサンドラ・ダールストレム(Alexandra Dahlström)、 レベッカ・リリエベリ(Rebecca Liljeberg)、エリカ・カールソン(Erica Carlson)、マティアス・ルスト(Mathias Rust)、ステファン・ヘルベリ (Stefan Hörberg) 

■製作年:1998年 ■製作国:スウェーデン、デンマーク ■上映時間:89min 

■言語:スウェーデン語(Swedish)  ■字幕:日本語、英語【With English subtitles】 

1999年 スウェーデン・アカデミー ( グルドバッゲ ) 賞:作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞

2/11 tue 11:00

ユーロスペース

ストーリー

オーモルの町に引っ越して1年半、友達もできず学校で浮いているアグネスは人気者のエリンに密かに想いを寄せていた。エリンは姉のイェニスとその友達とつるんでいるけれど、田舎町の日常に退屈し、刺激を求めていた。 アグネスの16歳の誕生日パーティーにエリンがやってきたことをきっかけに、ふたりは急速に距離を縮めるが、周囲に知られることを恐れたエリンはヨハンと付き合い始める。

作品紹介

世界中の映画祭で絶賛され、数々の賞を受賞したルーカス・ムーディソンの長編デビュー作。 『ウィ・アー・ザ・ベスト!』『リリア4-ever』でも描かれたリアルな10代の少女の原点でもある本作で、エリン役のアレクサンドラ・アーストレムとアグネス役のレベッカ・リリエベリは、スウェーデンのアカデミー賞にあたるグルドバッゲ賞で主演女優賞を揃って受賞している。境遇がまったく違うエリンとアグネスが、それぞれ抱える鬱屈したもの、そしてそれを誰にもわかってもらえないもどかしさと、どうにもできない自分への苛立ちが表現やしぐさから伝わってくる。
彼女たちを取り囲むスクールあるあるなキャラクターたちもまた、時代や国が違っても共感できるだけではなく、その場に居合わせているような錯覚を起こさせるほどリアルに描かれている。これは、キャラクター設定と脚本、演者の魅力に加えて、カメラワークの妙でもある。
ゲイ・フレンドリーな国として挙げられるスウェーデンでも、90年代の田舎町では好奇心や冷やかしの対象にされているという点には驚きはあるものの、爽快なラストは当時としては世界的にも画期的であっただろう。
スウェーデン本国では、同年に公開された『タイタニック』の興収を超えるヒットを記録している。今やヒット作の比較としてはもう引用されなくなってしまったが、本編でレオナルド・ディカプリオについて言及するシーンがあることと、アグネスの部屋に『ロミオ+ジュリエット』のポスターが貼ってあることから、当時のディカプリオ人気が窺えるので敢えて記述したい。
ちなみに、アグネスの誕生日の朝、両親と弟がケーキを持って歌いながらアグネスの部屋に入ってくるシーンがあるが、スウェーデンでは朝から誕生日を祝う習慣があり、歌われる歌は「Ja, må han (hon) leva」(カッコ内は性別で変わる)で「100歳まで生きますように」という内容の歌詞になっている。
気になるルーカス・ムーディソンの近況は、『ウィ・アー・ザ・ベスト!』以降は、2019年にTVシリーズ"Gösta"を手掛けている。

予告編